ぞりんばれんと 惚れ薬でジェームズがスネイプに惚れたら[9/11] 忍者ブログ

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惚れ薬でジェームズがスネイプに惚れたら[9/11]

次の日朝食へ、レギュラスとセブルスは一緒に向かった。大広間の入口で、早速リリーが待ち構えており、ついでにやはりシリウスもいた。
「兄さん、手紙は」
シリウスは、渋々といった手つきでローブのポケットから封筒を取り出した。
「新聞が来たときついでに送る。……お前と会話したとか、書いといたから」
ぶっきらぼうなシリウスに、レギュラスは年相応の愛くるしい笑顔を見せた。
「さて、セブルス、まずはなかなかね」
「あまり変化らしい変化じゃない気がするんだけど。どうせ真っ黒いし」
「まあいいのよ、第一歩としてはなかなかだわ」
リリーは満足げに何度も頷いた。
「やあ!」
歩いてきたリーマスが明るく挨拶した。そしてすれ違いざま、小声で言った。
「足止めはもう限界だ。君たちは、はやくスリザリン席に」
後ろからジェームズとピーターの声が聞こえてくる。レギュラスたちはリーマスに言われた通り、人混みに紛れて歩き出した。
「同じ寮の生徒に、ここまでされないといけない怪人物なんですね」
「うん、まあ」
ときどきレギュラスが先輩の背筋を直しながら、その日は平和に過ぎた。

翌朝、またもリリーは一人で大広間で待ち伏せしていた。彼女は、一人で歩いてきたセブルスの髪を手櫛でとかした。そして小さな包みを渡した。
「セブルスはね、いっつもここんとこに、ぎゅーってシワが寄ってるの」
人差し指でくりくりセブルスの眉間をマッサージしながら、リリーは言った。
「だからね」
包装は、つん、とリリーにつつかれると、雪のように溶けて消えた。(セブルスは、包装も取っておこうと思ったのに、と頬を膨らませた)中からは、小さな手鏡が出てきた。
「ちょっと思い出したときに、これを見てみて」
リリーは手鏡をセブルスに向けて、その顔に小さな光を反射させた。
「っていうのが、私の分の宿題でした!」
セブルスは不安と幸福が入り混じった複雑な心境で頷いた。そのとき朝食に上がってきたレギュラスが会釈した。
「友達もたくさん作らなきゃね」
リリーはセブルスの背中をぽんぽんと叩いた。そして、グリフィンドール席で手招きしている女の子たちのグループの方へ駆けていった。
「かわいい手鏡ですね」
セブルスは頷いて、それを覗きこんだ。自分の顔なんか、眺めたくない、と思う前に、鏡から声がした。
『あんまり眉間にシワ寄せてると、そのうち、ヒビになっちゃうよ!』
「ヒビ……」
セブルスは笑いをこぼした。だからリリーの宿題は2日もかかったのか。セブルスは、スリザリン席についてから、もう一度グリフィンドール席に目をやった。しかしジェームズ・ポッターがいた。嫌なもの見た。飯が不味くなる。セブルスは眉間に寄ってしまったシワを、慌てて緩めた。ジェームズは、スクランブルエッグの皿に顔を埋めんばかりにうつむいていた。

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