ぞりんばれんと 惚れ薬でジェームズがスネイプに惚れたら[6/11] 忍者ブログ

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惚れ薬でジェームズがスネイプに惚れたら[6/11]

「セブルス」
夕食時、セブルスは不意にしたリリーの声に振り返った。
「リリー!」
そしてセブルスは360度声のトーンを変えた。
「……と、君たちは何しに来たんだ、ここはスリザリンの席なんだが」
リリーに従えられて、シリウス、リーマスが居心地悪そうに立っていた。
「あなたを守るためよ」
セブルスの両隣の席は、他が満員でない限りいつも空いている。左隣にすとんと腰かけて、リリーはセブルスの皿にポイポイとベークドチキンを放りこんだ。
「ジャガイモばっかりじゃ背伸びないわよ」
「チキン……」
「何か言った? ブラック」
きゅるる、と鳴ったお腹の音を、リリーのひとにらみで器用に止めて、シリウスはグリフィンドール席を恋しげに見つめた。
「リリー、ご飯はもう?」
「まだよ、その前に、セブルスを捕まえなきゃと思って」
「ここ誰もいないし、リリーが少し食べちゃダメかな」
「どうせいっぱいあるもんね」
右隣に、リーマスが腰をおろした。幸い隣接するのは一年生ばかりで、怯えたような視線を寄越したが、すぐに友達同士の囁きあいに戻った。シリウスは、憎きスリザリンの席に加わるか否か、迷っている間に一人取り残されてしまった。通路に立っているので、人が来るたび避けねばならず、わびしいことこの上ない。
「あのポッターに追われ続けたら、セブルスきっと死ぬわ」
「死ぬの? 僕」
リリーに託されたベークドチキンと格闘するフォークとナイフが滑って、鶏のホネがシリウスの額に飛んでいった。
「だから、あいつの好いている点を、徹底的に変えましょう」
「そんな小手先じゃ、惚れ薬と関係ない気がするんだけど……」
「まず、ローブ!」
セブルスは自分の擦りきれたローブに目を落とした。
「臼だかフォイだかの、あのイヤミな先輩にお下がりをもらいましょう」
「たぶんルシウス先輩のことかな」
「あと、ジェームズは猫背っても言ってたよ」
「お前はなんでいるリーマス・ルーピン!」
せっかくのリリーとの夕食に邪魔が入って、セブルスは憤慨した。
「さっきからいたよ。だからね、ホラきみ、今も姿勢悪いだろ。どんなときも前を見なきゃって、僕の両親はよく言うんだ」
「なんか違う話な気がするぞ」
「とにかく、背筋を伸ばしてみたら。背も高く見えるし」
さっきリリーにも背のことを言われたため、セブルスは周りにわからないように背筋をぴんと張った。

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