ぞりんばれんと 惚れ薬でジェームズがスネイプに惚れたら[4/11] 忍者ブログ

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惚れ薬でジェームズがスネイプに惚れたら[4/11]

湖畔でふざけまわって、夕食をとり、戻ってきた消灯前のグリフィンドール談話室にて、すっかりグロッキーなシリウスが、さっきから同じことを繰り返している。
「お願いだよプロングズ、目をさましてくれよお……」
暖炉の前の椅子に、ぐったりと肘掛けに額を預けているシリウスに対し、ジェームズはうきうきと箒を磨いている。リーマスは絨毯にそのままあぐらをかいて、黙って暖炉で栗を焼いている。ピーターはその隣で、栗が弾けやしないか、シリウスかジェームズが弾けやしないか、双方を見比べながらはらはらしている。リーマスは焼けた栗を渡しながら、シリウスに耳打ちした。
「言ったじゃないか、惚れ薬のせいだから、すぐ治るよ」
「耐えられるかっ!」
火箸から手のひらに、ポトリと栗を落とされて、シリウスは飛び上がった。
「何すんだよおお!」
「ごめんごめん」
それがまた元気のスイッチになって、シリウスは、暖炉の火を見つめてまるきり上の空のジェームズに、再度食ってかかった。リーマスはまた定位置に戻って、あぐらの膝に頬杖をついてそれを眺めた。
「だから! あいつのどこがいいんだよ! スリザリンだし、陰気だし、不潔だし、ブサイクだし! だいいち性別を考えろ!」
ジェームズは春風のように笑った。
「でも少なくとも人間だぜ? 愛の言葉は通じるさ」
シリウスが、完全に沈黙した。
「ねえシリウス、友人の恋愛事情に過敏すぎだよ。ちょっと行き過ぎた友情だよ」
「行き過ぎてても異常でも変態でもこの際いい!」
「いや、そこまでは言ってない」
シリウスを見かねて、ピーターが口を開いた。
「あのさ、ジェームズが言う、あいつの長所を、全部覆しちゃえば良いんじゃないかなあ」
「ああ、あのベタベタ髪……」
ジェームズが暖炉に向かって恍惚と呟いている。
「イヤミな態度、卑屈な猫背……」
シリウスがピーターに向けて目を輝かせた。
「ボロボロの出で立ち……」
リーマスは頬杖で口をふさいで、吹き出しそうなのを堪えている。
「僕、明日は、やってやるぜ」
「ジェームズはいつもやらかしてると思うけど」
ジェームズの呟きを、一人聞いていたピーターがため息をついた。

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