ぞりんばれんと 惚れ薬でジェームズがスネイプに惚れたら[2/11] 忍者ブログ

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惚れ薬でジェームズがスネイプに惚れたら[2/11]

次の日のグリフィンドール、スリザリン合同授業は、魔法生物学だけだった。屋外なので座席による住み分けが無いのをいいことに、ジェームズはやたらとスネイプの側にすりよった。周囲は、また何かジェームズが企んでいる、ターゲットがスネイプなら見ものになるだろう、とちょこちょこそちらを確認していた。おかげで、人面鳥の雛に噛まれる者が続出した。ジェームズも何やら授業に上の空でやたら雛に噛まれてはいたが、もじもじしているだけで、目立った行動はしなかった。
昼休み、リリーとセブルスは湖畔の木の陰に腰かけていた。話している二人を、上から人の影が覆った。
「ちょっと良いかな」
リーマス・ルーピンが立っていた。
「ポッターの差し金か」
すぐに逃げ出せるように、セブルスは身構えた。
「いや、そうじゃないんだ。ジェームズはちょっと、おかしくて」
「彼はいつもおかしいと思うけど」
リリーがプイと目を閉じて言った。リーマスは苦笑いしながら首を振った。
「それはそうなんだけど、まるで惚れ薬でも飲んだかのように、スニベリーたん、スニベリーたんって」
吐き気とめまいをおぼえながら、セブルスは口を開いた。
「惚れ薬?」
薄々感づいていた懸念が、どうやら本当だったようだ。セブルスの手は、足元の雑草を引き抜き始めた。リリーが顎に手をあてて言った。
「でも、授業で作った惚れ薬ならそこまでの効果はないはずよ」
「大方、やつはニジガエルの心臓を多めに入れたんだろう」
迂闊にも『入れすぎないように』と見え透いた忠告をしたスラグホーンの顔を思い浮かべながら、セブルスは言った。
「でもじゃあどうして自分で作った惚れ薬を自分で? あの、エバンズさん、あなたに飲ませるんだって意気込んでたんだけど」
ルーピンは自分のやったことではないのに申し訳なさそうに言った。セブルスは両手で顔を覆った。
「リリーと奴のカボチャジュースを、僕が取り替えたんだ」
リリーは口に手をやった。
「いや、口をつける前にやったから平気だよ!」
セブルスは慌ててつけたした。
「セブルス、あなたそんなこと気にしてる場合じゃないわよ」
しかしルーピンはかえって安心したような顔をした。
「惚れ薬なら、ほんとに精神をやられたわけじゃないんだね。でも、すると薬の効果期間も延びるの?」
「いや、たぶんそれは変わらない。一応調べてみるけど、期間は一週間だ」
一週間、逃げ切れば良いわけだ。そう考えると、普段とやっていることはあまり変わりなく、悪意が無い分、ちょろいとすら思えた。
「解毒剤はないの?」とルーピン。
「出来ることには出来る、けど最近材料の価格が高騰しているから、もったいない」

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